【前編】麻生太郎氏の皇室観|国会答弁に見る男系継承・皇室への考え方【時系列で整理】

国会議員

麻生太郎氏は令和8年(2026)現在85歳で、現職の衆議院議員。主な役職は自民党副総裁、選挙対策本部長代行。
また、皇位継承問題において男系継承を重視する立場の政治家として知られており、令和5年(2023)からは「安定的な皇位継承の確保に関する懇談会」の会長を務めています。

女性皇族の婚姻後の身分保持(いわゆる「女性宮家」)や、旧宮家系の男系男子を皇族の養子とする案など、安定的皇位継承策や皇族数確保策をめぐる議論の中心に立っています。

⭐️参考
麻生太郎(自民党)
「国論を二分してはならない」安定的皇位継承 麻生最高顧問が国民大会で決意(自民党)

時期年齢主な経歴
昭和15年(1940)9月20日0歳福岡県に生まれる
昭和38年(1963)3月22歳学習院大学政経学部を卒業
昭和41年(1966)8月25歳麻生産業株式会社に入社
昭和48年(1973)5月32歳麻生セメント株式会社代表取締役社長に就任
昭和51年(1976)35〜36歳モントリオール五輪にクレー射撃日本代表として出場
昭和54年(1979)39歳衆議院議員に初当選
平成13年(2001)1月60歳国務大臣・経済財政政策担当に就任
平成15年(2003)9月63歳総務大臣に就任
平成17年(2005)10月65歳外務大臣に就任
平成19年(2007)8月66歳自民党幹事長に就任
平成20年(2008)9月68歳第23代自由民主党総裁に就任
平成20年(2008)9月24日68歳第92代内閣総理大臣に就任
平成21年(2009)9月16日68歳内閣総理大臣を退任
平成24年(2012)12月72歳副総理・財務大臣・金融担当大臣に就任
令和3年(2021)10月81歳自民党副総裁に就任
令和5年(2023)11月83歳自民党「安定的な皇位継承の確保に関する懇談会」会長に就任
令和6年(2024)4月83歳同懇談会で皇位継承に関する自民党の所見取りまとめに関わる
令和8年(2026)現在85歳衆議院議員。自民党副総裁、選挙対策本部長代行、同懇談会長

皇室の縁戚

宮内庁によれば、寬仁ともひと親王妃の信子殿下は故・麻生太賀吉たかきち氏の第3女子で、昭和55年(1980)に寬仁親王殿下とご結婚され、彬子あきこ女王殿下・瑶子ようこ女王殿下のお母様です。

⭐️参考 三笠宮寬仁親王妃家・寬仁親王妃信子殿下(宮内庁)

麻生太郎氏は太賀吉氏の長男であるため、信子妃殿下は妹にあたり、彬子女王殿下と瑤子女王殿下は姪にあたることとなります。つまり麻生氏は、昭和55年以降、皇族方と姻戚関係を持つ政治家でもあります。

⭐️参考 コトバンク・デジタル大辞泉 麻生太郎

ここから麻生氏の発言を見ていきます。

平成26年(2014)10月16日 第187回国会・参議院・財政金融委員会・第2号

概要

当時の肩書きである財務大臣としての発言。
中山恭子議員(次世代の党)が「次世代の日本をどう思い描いているのか」という問いに対し、日本の強みを挙げていく中で皇室や国家観に関わる言及がありました。

発言

一千五百年の長きにわたって皇室を維持しているなんという国は世界中二つとありません

国会会議録検索システム(発言全文を見る

皇室の継続性を日本の誇るべき文化的資産として肯定的に捉えているものと読めます。麻生氏の皇室観の一端として「皇室の長い継続性への敬意」という軸が見えてきます。

平成27年(2015)3月16日 第189回国会・参議院・予算委員会・第6号

概要

当時の肩書きである財務大臣としての発言。
三原じゅん子議員(自由民主党)がグローバル資本主義の問題への対抗理念として「八紘一宇」(初代神武天皇に由来するとされる「世界が一家族のようにむつみ合う」という概念)を持ち出し、安倍総理にこの理念を国際的な政治合意文書として提案するよう求めました。

麻生大臣の反応として、八紘一宇の塔(宮崎県)に言及しつつ、次の発言がありました。

発言

私どもはやっぱり、何でしょうね、世界なら世界の中で、千五百年以上も前から少なくとも国として今の日本という国の同じ場所に同じ言語をしゃべって、万世一系天皇陛下というような国というのはほかにありませんから、

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「千五百年以上、同じ場所・同じ言語・万世一系の天皇」という3点セットを国家の価値の根拠に置いています。つまり麻生氏にとって、国家の正統性や誇りは歴史の長さと連続性に基づくもので、平成26年の発言とも一貫しています。

平成31年(2019)3月19日 第198回国会・参議院・財政金融委員会・第4号

概要

当時の肩書きである財務大臣としての発言。
渡辺喜美議員(無所属)は「皇室財産が先細りになっている」と懸念を示し、相続税の非課税化を提案しました。麻生大臣は相続税非課税論に対して即答せず、まず「皇室には戸籍がない」という事実を前提として示した上で、以下のように述べました。

発言

皇室というのは、百二十五代、今度百二十六代ということになりますけれども、そういったものの中できちんとしたものをこれだけ維持しているというものは世界で日本しかありませんから、そういった意味では、こういったものは今後とも日本の最も大事にすべき文化として存続されてしかるべき、それをいかにして守るのかというのは、国民の選良として選ばれた国会議員に与えられた大きな仕事の一つだという件に関しましては、私も全く同じ意見であります

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麻生氏の皇室観や国家観について非常に重要なことが語られています。
皇室を守るべき対象として具体的に捉え、それが国会議員の責務だと述べている点です。日本の歴史的文化の価値を表明する内容から一歩踏み込んで、政治家としての使命感が現れています。

平成31年(2019)3月20日 第198回国会・参議院・財政金融委員会・第5号

概要

当時の肩書きである財務大臣・副総理としての発言。
大塚耕平議員(国民民主党・新緑風会)は、女性天皇・GHQによる皇籍離脱者(いわゆる旧宮家)の扱いについて麻生副総理の見解を求めたのに対し、以下のように述べました。

発言

この女性天皇、女系天皇、いろいろお話がありますけれども、私どもとしては、一番の肝腎なことは、少なくとも国家は、今百九十幾つ世界中に国があるんだと思いますけど、その中で百二十五代にわたって天皇というものがきちっと存続して、まあ皇紀二千六百七十八年とかいろんな表現ありますけれども、そういった中でこういったものが綿々と続いているというのは、これは日本の最も世界に冠たる宝なんだと、私どもはそう思っておりますので、そういった意味では、これまで続いてきた長い間の伝統とかいうものをうかつに変えられるというのは、我々の知恵とか我々のレベルの話で、もっと広く多くの方の知識、見識、そういったものを集約した上でこの種の話は語っていただかぬと、我々の浅はかな知恵でうかつなことを申し上げるのはいかがなものかというのが率直な実感です。

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皇室を日本の最高の宝として明言。
また、皇統継承の具体的議論をすることの重みを踏まえ、その場における回答に慎重な姿勢を示しました。

令和以降、国会において目立った発言なし

以上が国会における麻生氏の皇室に関わる主な発言でした。見てきた通り、麻生氏は皇室を日本の国家観・歴史観の中心に置いていることがよく分かります。

しかし、令和以降、麻生氏の皇室関連発言は国会会議録上では目立たなくなります。というのも、麻生氏は令和3年(2021)10月に財務大臣を退いたこともあり、政府答弁者というより、自民党幹部として、また党内組織である「安定的な皇位継承の確保に関する懇談会」の会長として皇室制度に関わる立場へ移ったからというのが大きいです。

つまり、麻生氏の皇室問題への関与が薄れたということではありません

後編に続く

よって後編は、自民党懇談会長としての麻生太郎氏の活動についてまとめていきたいと思います。

皆様の意思形成や情報整理の助けになれば幸いです。

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