【皇室典範改正】旧宮家男系男子の養子案――「15歳以上・配偶者と子なし」の意味【政府骨子案判明】

旧宮家

政府骨子案で示された「養子」の要件

令和8年(2026)6月19日報道によると、皇室典範改正に関する政府骨子案では、旧宮家の男系男子を養子に迎える案について、15歳以上の男子で、配偶者と子どもがいない人に限り養子にできるとされています。

⭐️参考 【独自】皇族数の確保策めぐり政府の骨子案判明 「養子案」15歳以上の旧宮家の男系男子(TBS NEWS DIG 2026年6月19日報道)

前提:現行皇室典範では養子は禁止されている

現行の皇室典範第9条は、「天皇及び皇族は、養子をすることができない」と定めています。つまり、今回の養子案は、皇室典範そのものを改正して、皇族の養子縁組を例外的に可能にする制度です。

とはいえ、第9条を削除して養子を自由化するものではなく、原則は禁止としつつ、上述の通り「旧宮家系の男系男子で15歳以上、かつ配偶者と子どもがいない人」に限定した「例外規定」を新設する形にまとめるのではないでしょうか。


なぜ「15歳以上」なのか?

15歳以上という条件は、おそらく養子となる本人の意思確認や、皇族の身分を離れる年齢規定との整合性を意識したものだと思います。

現行皇室典範第11条では、次のように規定されています。

第十一条 年齢十五年以上の内親王、王及び女王は、その意思に基き、皇室会議の議により、皇族の身分を離れる。

皇室典範 第11条

15歳以上になると本人の意思に基づき、皇族の身分を離れることができる規定があります。つまり、皇族身分について本人意思を問える年齢として、15歳がひとつの基準になっているわけです。


なぜ「配偶者と子なしに限る」のか?

もしも、配偶者や子がいる男性を養子にした場合、本人だけを皇族にするのか、配偶者や子もどう扱うのか、非常に複雑になります。有識者会議報告書でも、婚姻していて既に子がいる場合、子については養親との親族関係を生じさせず、皇族とならないことも考えられると整理されていました。

また、養子となる男性に配偶者と子がいる場合、その配偶者と子の意思確認を要する場合が考えられ、結果として養子縁組のハードルがより高くなることが考えられます。

つまり、養子資格を「配偶者と子なしに限定」したのはこの複雑さを最初から避けるための設計だと読めます。
皇族となる本人だけを皇室に迎え、既存の家族をめぐる身分問題を発生させないための条件ということですね。


養子となった本人は皇位継承資格を持たない

報道で確認できる政府骨子案では、養子本人の皇位継承資格について大きく触れられていません。

しかし、骨子案の前提となる「立法府の総意」では、養子となって皇族となられた方は皇位継承資格を持たないこととすると明記されています。
これは「安定的な皇位継承の方策」に直結する内容であるため、今後はこの点がどのように規定されるかを注意深く確認していく必要があります。


補足 養親としての現実的な受け皿は限られている

以上のように、養子となる者についての資格が報道ベースによって一部明らかにされましたが、養子を受け入れる側、すなわち「養親側」についてはあまり議論されていないように思います。

僕の結論を言うと、現在、養子を迎え入れることができる皇族は現実的に常陸宮家だけではないかと思っています。詳しくは以下の記事をご覧ください。


まとめ

女性皇族の婚姻後身分保持は、皇族数の減少を防ぐ制度ではあるものの、新たに皇族を増やす制度ではありません。しかも、女性皇族の人生選択に重い圧力をかける危うさがあります。

これに対し養子案は、条件さえ整えば皇族数を増やすことのできる制度です。もちろん、養子となる本人の自由意思、養親となる皇族方の意思、国民の理解、皇位継承資格の扱いなど、詰めるべき論点は多いです。

しかし、皇族数確保と男系継承維持を両立させようとするなら、今回の改正で本当に注目すべきなのは、女性皇族を結婚後も残す案ではなく、旧宮家男系男子養子案の制度設計ではないでしょうか。

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