この記事では、国民民主党代表・玉木雄一郎氏の令和8年(2026)現在までの皇室に関連する発言を時系列でまとめていきます。
| 年月日 | 略歴 |
|---|---|
| 昭和44年(1969)5月1日 | 香川県大川郡寒川町、現在のさぬき市に生まれる。兼業農家の長男。 |
| 昭和63年(1988) | 香川県立高松高等学校を卒業。 |
| 平成5年(1993)3月 | 東京大学法学部を卒業。 |
| 平成5年(1993)4月 | 大蔵省に入省。 |
| 平成9年(1997)6月 | ハーバード大学ケネディースクールを修了。 |
| 平成9年(1997)7月 | 外務省中近東アフリカ局中近東第一課へ出向。 |
| 平成12年(2000)7月 | 金融庁、証券取引等監視委員会へ出向。 |
| 平成13年(2001)7月 | 大阪国税局へ出向し、総務課長に就任。 |
| 平成14年(2002)7月 | 内閣府へ出向し、行革大臣秘書専門官に就任。石原伸晃氏、金子一義氏、村上誠一郎氏の下で勤務。 |
| 平成17年(2005)8月 | 財務省主計局主査を最後に財務省を退官。 |
| 平成17年(2005)9月11日 | 第44回衆議院議員総選挙に香川2区から民主党公認で初出馬するも落選。 |
| 平成21年(2009)8月30日 | 第45回衆議院議員総選挙で香川2区から初当選。 |
| 平成24年(2012)12月16日 | 第46回衆議院議員総選挙で再選。2期目。 |
| 平成26年(2014)12月14日 | 第47回衆議院議員総選挙で3選。 |
| 平成28年(2016)9月 | 民進党代表選に出馬。のち民進党幹事長代理に就任。 |
| 平成29年(2017)10月22日 | 第48回衆議院議員総選挙で希望の党公認として香川2区から4選。 |
| 平成29年(2017)11月 | 希望の党代表に就任。 |
| 平成30年(2018)5月 | 国民民主党結党に伴い、共同代表に就任。 |
| 平成30年(2018)9月 | 国民民主党代表に就任。 |
| ⭐️ 令和元年(2019)5月8日 | 皇位継承問題について、女性天皇を認めるべきとの考えを示す一方、女系天皇については慎重な立場を示した。 |
| ⭐️ 令和元年(2019)5月30日 | 旧国民民主党内に皇位検討委員会を正式に立ち上げ、女性天皇や女性宮家について議論を本格化させる考えを表明。 |
| ⭐️ 令和元年(2019)6月11日 | 党皇位検討委員会が、皇統に属する男系女子の皇位継承、いわゆる女性天皇を可能とする皇室典範改正案概要を玉木代表に中間報告。女系天皇については「時期尚早」と整理。 |
| 令和2年(2020)9月 | 分党を経て、新しい国民民主党を設立。代表に就任。 |
| 令和2年(2020)12月18日 | 国民民主党代表選で再選。改めて代表に就任。 |
| 令和3年(2021)10月31日 | 第49回衆議院議員総選挙で5選。 |
| ⭐️ 令和4年(2022)1月25日 | 国民民主党が「安定的な皇位継承を考える会」の初会合を開催。 |
| 令和5年(2023)9月2日 | 国民民主党代表選で前原誠司氏を破り、代表に再選。 |
| ⭐️ 令和6年(2024)3月27日 | 国民民主党が「皇族数の減少と皇位継承についての考え方」を公表。女性皇族の婚姻後の皇室残留、旧宮家男系男子の養子縁組等による皇籍復帰、皇統に属する男系男子を法律により直接皇族とする案をもとに制度化を進めるべきとした。 |
| 令和6年(2024)10月27日 | 第50回衆議院議員総選挙で6選。 |
| 令和6年(2024)12月4日 | 国民民主党から、令和7年(2025)3月3日までの3か月間、役職停止処分を受ける。 |
| 令和7年(2025)3月4日 | 役職停止期間を終え、代表職に復帰。 |
| 令和8年(2026)2月8日 | 第51回衆議院議員総選挙で香川2区から当選。7期目。 |
| ⭐️ 令和8年(2026)6月8日 | 皇室全体会議後のぶら下がり会見で、女性皇族の婚姻後の身分保持案と旧11宮家男系男子の養子案を基本的に了承したと説明。女性皇族の配偶者・子は皇族とせず、待遇面では同等に扱う「準皇族のような制度設計」も一案とした。また旧宮家養子案については、皇室典範本体ではなく特例法で対応すべきだと主張。 |
玉木氏の発言には変化が見られる
玉木氏の発言の変化は、平成30年(2018)から令和8年(2026)現在の8年間で、おおまかに3期に分けることができます。
第1期:女性宮家・女性天皇を前面に出す時期
平成30年(2018)〜令和2年(2020)ごろ。女性皇族の皇籍離脱への危機感が強く、男系の女性天皇や女性宮家を積極的に論じています。
第2期:皇位継承資格と皇族数確保を切り離す時期
令和6年(2024)3月の党見解が転換点です。ここで、女性天皇そのものよりも、皇族数確保策としての女性皇族残留・旧宮家男系男子養子案が中心になります。
第3期:男系維持を前提とした制度設計論へ
令和8年(2026)6月の発言では、配偶者・子を皇族にしない、旧宮家養子案は特例法で限定的に行う、というかなり保守寄り・制度設計寄りの発言になっています。
平成30年(2018)7月2日 党内記者会見にて
冒頭発言「女性宮家の創設などの対応策を早急に講じるべき」
まず、高円宮絢子様の婚約の内定が発表されました。心からお祝いを申し上げたいと思います。
玉木雄一郎共同代表記者会見 2018年7月2日(月)(国民民主党公式)
同時に、昨年の皇室典範特例法成立の際に附帯決議にも盛り込みましたが、女性宮家の創設など、陛下の公務の負担軽減等の観点からしっかりとした対応策を早急に講じるべきだと思います。政府は速やかに、この附帯決議に基づいて検討を行っていただきたい。このことを強く求めたいと思います。
質疑「党内で皇統の安定的な継続について議論したい」
記者により、女性宮家創設について政府は依然として慎重な姿勢でいるが、この事についてどのように受け止めているかを質問され、玉木氏は以下のように回答しました。
(女性宮家の創設については)特例法の附帯決議にも、これは検討すると書いてありますから、政府においては速やかに議論を開始してもらいたいと思いますし、我が党の中にも民主党・民進党時代にこの問題について取り組んできた仲間がおりますので、我が党の中にも改めてそうした検討の場を設けて、女性宮家の創設等について、皇統の安定的な継続についての議論を行っていきたいと思っています。
同上 青字は筆者による補足
この時は「皇族数の確保」議論ではなく「皇統の安定的な継続」に主眼が置かれていたことが分かります。
令和元年(2019)5月8日
「女性天皇を認めるべき」
女性天皇については過去も数例ありますので、その意味では事例があるという意味では、それも一つの伝統かなと思いますが。男系の伝統を変えるということについては、現時点では私達は慎重に考えています
国民・玉木代表「女性天皇容認、女系天皇は慎重」(テレ朝NEWS)
令和元年(2019)5月30日 党内記者会見にて
昨年の記者会見にて「党内に検討の場を設ける」と述べていた通り「皇位検討委員会」が立ち上げられました。ただし、国民民主党は翌年9月に解散・分党することとなり、旧国民民主党としての皇位検討委員会の活動はほどなくして終了することになります。
冒頭発言「女性天皇等について議論を本格化させていきたい」
このたび津村啓介副代表を座長に皇位検討委員会を党内に正式に立ち上げまして、女性天皇等についての議論を本格化させていきたいと思います。
玉木雄一郎代表記者会見2019年5月30日(木)(国民民主党公式)
この場でも何度か申し上げましたが、過去の長い歴史を振り返ったときに、私自身そうですが、女系天皇については現時点では極めて慎重な立場でおりますが、男系の女性天皇、そしてまた女性宮家の議論については、これまでもさまざまな議論が政府の中でも行われた経緯もありますので、特に女性天皇等について議論を具体的に進めていきたい。もっと言えば、皇室典範の改正案の作成も視野に入れながら、党内での議論を深めていきたい。
6月11日には、同委員会から玉木代表に中間報告が行われ、「皇室典範改正案概要」として、女性天皇を可能とすることが提言されました。女系天皇については、国民意識がまだ熟しておらず時期尚早とし、今後の論点として位置付けるにとどまりました。
女性天皇を認める根拠としては、「伝統を踏まえていること」「各種世論調査により賛成が70%を超えていること」が挙げられています。
令和元年(2019)6月12日 党内記者会見にて
1. 質疑「男系という伝統は長く続いていることそのものに意義がある」
記者により、党として女系天皇を認めないのはなぜかと質問があり、玉木代表は女系については「相当慎重な議論が必要であり、軽々に変えられない」とし、続けて以下のように回答しました。
伝統というのは、もちろん人間の英知で全てはかれるものではなく、長く続いていることそのものに意義があることがあります。歴史の風雪に耐えて残っていることは、実はさまざまな障害を乗り越えて制度・政策というのは残っていくので、その意味では伝統というものを尊重しようと。我々の考える皇統の安定的な継続性という「皇統」は、少なくともこれまでは男系で維持されてきた皇統を意味しますから、それはまず大切にしようというのが大前提です。
玉木雄一郎代表記者会見2019年6月12日(水)(国民民主党公式)
玉木氏の皇室観、男系の伝統に対する考えがうかがえる発言です。
2. 質疑「女性天皇は国民の総意に基く」
続けて以下のように発言しています。
その中で、愛子様については、お年のことも踏まえて、そしてまた天皇の地位は「国民の総意に基く」と憲法上あることからも、最近の世論調査を見れば女性天皇を容認する国民の姿勢というものも高いものがありますから、そういったものを踏まえて、歴史上も例のある男系の女性天皇については速やかにこれを容認すべきだというところで、まず私たちの結論を得ました。
同上
玉木氏は女性天皇を容認する理由として、世論調査の賛成が多いことを取り、憲法の規定する天皇の地位「国民の総意」に基づいているとし、さらに「歴史上の前例」があることを挙げています。
「愛子様」と特定の個人名を挙げていることから、この当時では、女性天皇の容認=愛子様が即位すること、を意味していた可能性があります。
3. 質疑「生まれてもいない愛子様のお子様について議論するべきではない」
記者から関連質問として、もし愛子様が即位したとしても、愛子様が男系に属さない男性とご結婚し、お子様が生まれた場合、男系を維持する限りまた同じような状況になるが、これをどうクリアするのかと質問され、玉木氏は以下のように回答しました。
私ども女系天皇は時期尚早ということは、まず生まれてもいない愛子様のお子様について何か言う、あるいはご結婚の相手方についてのことを何か前提を置いて議論するべきものでもないということで、とりあえず今の状況から少しでも一歩でも前に進むこと。そしてまた多くの国民の一定のご理解が得られるような範囲で具体的な提案をさせていただいたということです。
同上
核心に迫る問いについては正面から答えなかった
つまり、女性天皇が制度化され、愛子内親王殿下が即位されたとしても、配偶者が男系でない場合、その子はいわゆる「女系」となり結局継承は行き詰まることとなる。そこはどのようにクリアするのかと問われたものですが、玉木氏は「まだ生まれてもいない愛子様のお子様について議論するべきではない」として回答を避けました。
女性天皇を容認した場合に必然的に生じる次世代の皇位継承問題については、十分に制度設計を詰めていたとは言いがたいのではないでしょうか。
令和元年(2019)11月13日 党内記者会見にて
質疑「皇籍離脱後も公務員的な身分を残す」
記者から、安定的な皇位継承に向けて党としてどのような議論を進めていくべきかについて質問があり、玉木代表は次のように回答しました。
我が党としてはいわゆる女性宮家の創設や男系の女性天皇については速やかに認めるべきだと思いますし、女系天皇については時期尚早ということで慎重な対応を決めておりますが、女性宮家、あるいは皇籍を離脱した後も何らかの公務員的な身分を残してさまざまな皇室行事に引き続き関与できるようなステータスを用意することも含めた対応、いわゆる公務の負担の軽減の話と、そして、かつてこれまでも認められてきた男系の女性天皇についてはやはり認める方向で速やかに結論を得るべきだと考えています。
玉木雄一郎代表記者会見2019年11月13日(水)(国民民主党公式)
玉木氏は、女性宮家を認めるべきとしつつも、従来通り女性皇族が婚姻後に皇籍を離脱する場合について、「皇籍を離脱した後も公務員的な身分を残し公務に関与できる制度」を検討すべきとの意見を示しました。
この「公務員的な身分」発言が、令和8年6月の「準皇族のような制度設計」発言の原型になっていると見てよさそうです。
令和2年(2020)5月1日 党内記者会見にて
冒頭発言 初めて「旧皇族の復帰」について触れる
玉木氏は、天皇陛下御即位1周年を受けて会見冒頭で次のように発言しました。
皇室典範特例法の附帯決議で定められた安定的な皇位継承の問題についてはやはりしっかりと議論をしていかなければならないと思っていますので、我が党でも津村啓介さんのもとでこの議論をしておりますが、やはり女性天皇、女性宮家、あるいは旧皇族の復帰の問題等々、さまざまな論点から議論していかなければなりませんが、我が党としては一定の考え方をまとめておりますので、ぜひ政府におかれても速やかな検討・議論を始めてもらいたいと思っています。
玉木雄一郎代表(オンライン)記者会見2020年5月1日(金)(国民民主党公式)
具体論ではないものの、一連の「安定的な皇位継承の方策」に関する発言で初めて「旧皇族の復帰」が見える例。
令和6年(2024)3月27日 党公式見解の公表
GHQにより皇籍離脱を余儀なくされた経緯を踏まえ
こちらは玉木氏個人の発言ではなく「安定的皇位継承」と「皇族数確保」に関する国民民主党としての公式見解です。令和3年の有識者会議報告書を受け、党内組織「安定的な皇位継承を考える会」の会議を経て決定されたものであり、皇位継承問題とは切り離し、ひとまず皇族数確保問題を検討するために①〜③案を検討していく事としました。
国民民主党の「安定的な皇位継承を考える会」では、皇統の歴史、日本の皇統の文化的歴史的価値、憲法のもとで象徴天皇と皇族全員が果たしてこられた役割、GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)の意向により 11 宮家が皇室離脱を余儀なくされた経緯、旧宮家の現況等を踏まえて、真摯かつ静謐な検討を重ねてきました。
その結果、有識者会議報告書に関しては、安定的な皇位継承と皇族数確保を両立するために、日本の皇統の文化的歴史的価値の重要性を鑑み、皇族数確保の観点から、①女性皇族が婚姻後も皇室に残る、及び②旧宮家の男系男子が養子縁組などで皇籍復帰するという双方の方策について、早急に制度の具体化を進めるべきです。併せて①及び②の方策では十分な皇族数を確保することができない場合に備えて、③皇統に属する男系男子を法律により直接皇族とすることも検討しておくべきと考えます。その上で、皇位の安定継承の具体化については、引き続き検討を深める必要があります。
皇族数の減少と皇位継承についての考え方(国民民主党公式、PDF)
旧宮家が戦後間もなく皇籍離脱を余儀なくされたという当時の事情を踏まえた上で、旧宮家養子案を検討候補としていることが注目されます。さらに、法律による直接皇族案をも視野に入れたものとなっており、こちらが令和2年までの「女性天皇・女性宮家」方針から大きく変化が見られ、令和8年現在の国民民主党の公式見解となっています。
令和6年(2024)衆院選時「候補者アンケート」にて
Q.「女性が天皇になるのを認めること」
続いて、発言ではありませんが、玉木氏が令和6年(2024)衆院選候補者アンケートの「女性が天皇になるのを認めること」の賛否について回答しており、「賛成・やや賛成・どちらとも言えない・やや反対・反対」のうち「反対」を選択しています。
令和8年(2026)6月 ぶら下がり会見(皇室全体会議をうけて)にて
こちらが、玉木氏の皇室発言の現在地です。
玉木氏は、衆参両院正副議長から示された「女性皇族が婚姻後も身分を保持する案」と「旧11宮家男系男子の養子縁組による皇籍復帰案」の両論併記を、党として基本了承したと説明しています。
「『準皇族』を検討してほしい」
まず第1案(女性皇族の婚姻後身分保持案)に関しては、結婚した際の、旧11宮家に属さない男系男子の配偶者、つまり一般国民の方と結婚された場合の配偶者や子供の身分についてです。過去の皇室の歴史を踏まえれば、皇族の身分とはしないことが歴史的に整合的であり適切であると申し上げました。ただ、1つの家族の中で配偶者や子供だけが違う扱いになるというのも現実的には厳しいだろうと考えます。そのため、「皇族の身分ではないが、待遇等においては同等の扱いとする」といった、いわば準皇族のような具体的な制度設計も一案として検討してほしいと申し述べました。
(筆者注記:「旧11宮家に属さない男系男子の配偶者」とあるが、文脈上は「旧11宮家に属する男系男子ではない一般国民男性と結婚した場合の配偶者・子」を指すものと考えられる)
国民民主党 玉木代表ぶら下がり会見(皇室全体会議をうけて)(国民民主党公式)
第1案については、女性皇族の配偶者・子は皇族身分にしないことが歴史的に整合的だとしつつ、待遇面では同等に扱う「準皇族のような」制度設計を検討すべきだと述べています。
養子案は皇室典範改正ではなく、特例法で対応すべき
では、(旧皇室典範では禁止されていた皇族の養子を)今回なぜそれを認めてよいのかという点について、我々としては、先ほど申し上げた日本国憲法下で5ヶ月間皇族であった「旧11宮家の男系男子に限る」ということを明確にすべきだと考えます。およそ一般的に、天皇の子孫であれば誰でも皇族になれるという形にしてはなりません。そのため、皇室典範そのものの改正ではなく、特例法で行うべきではないかと提案しました。特定の男系男子に限った限定的な対応であることを明確にするためです。立法技術論的な話ではありますが、改めて過去の歴史や旧皇室典範での議論を踏まえ、皇室典範そのものの改正ではなく特例法で対応すべきだと主張しました。
同上
第2案である養子案については、旧皇室典範が養子を禁じていた趣旨に触れたうえで、今回の対応はあくまでも旧11宮家の男系男子に限る特例的措置であることを明確にすべきだとした。そのため、皇室典範そのものを改正して養子一般を認めるのではなく、原則は禁止としたまま、特例法によって限定的に対応すべきだと主張しました。
ここで注目すべきは、玉木氏が「準皇族」的な制度設計と、旧11宮家男系男子に限定した特例法対応を同時に主張している点でしょう。前者は女性皇族の婚姻後残留に伴う家族内の身分差を緩和するための案であり、後者は旧宮家養子案が無限定な養子解禁とならないよう歯止めをかける案です。
いずれも、皇室制度を大きく変えるというより、男系継承の枠組みを維持したまま、現実的な不都合を制度設計で処理しようとする発想と言えます。
まとめ:玉木氏の皇室論は「女性天皇容認」から「男系維持を前提とした皇族数確保」へ
以上、玉木雄一郎氏の皇室関連発言を時系列で見てきました。
玉木氏の発言は、平成30年(2018)から令和2年(2020)ごろまでは、女性宮家や男系の女性天皇を速やかに認めるべきという方向が前面に出ていました。特に令和元年(2019)には、女性天皇について「歴史上の前例があること」や「世論調査で賛成が多いこと」を根拠に、皇室典範改正案の作成まで視野に入れていました。
しかし、この時期の議論には大きな課題もありました。男系の女性天皇を認めたとしても、その女性天皇の子に皇位継承資格を認めなければ、継承者は1代分増えるにとどまります。逆に、その子に皇位継承資格を認めれば、それは女系継承につながります。
その後、令和6年(2024)には玉木氏および国民民主党の議論は、女性天皇容認論よりも、男系継承を前提とした皇族数確保策へと重心を移したと見ることができます。
そして令和8年(2026)のぶら下がり会見では、その現在地がより明確になりました。玉木氏は、女性皇族の身分保持案について、配偶者や子は皇族としないことが歴史的に整合的だとしつつ、待遇面では同等に扱う「準皇族のような」制度設計を検討すべきだと述べました。また、旧11宮家男系男子の養子案についても、無限定な養子解禁とならないよう、皇室典範そのものの改正ではなく、特例法で限定的に対応すべきだと主張しています。
こうして見ると、玉木氏の皇室論は、当初の「女性宮家・女性天皇を前面に出す議論」から、現在では「男系継承の枠組みを維持しつつ、皇族数確保のための制度設計を行う議論」へと変化してきたと言えます。
その意味で、玉木氏の発言は、旧民主党系政治家の中でも、近年かなり保守寄り・制度設計寄りに変化してきた例として注目されます。


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